TTP入院中にフォレスト・ガンプを見た感想(若干ネタバレ有)
入院生活も半月近く経ち、治療は続いているものの経過良好のため元気に過ごしております。
ただ、夜あまり眠れません。元々深夜ラジオリスナーで夜更かし耐性があることや、ステロイド剤を飲んでいるため眠くなりにくく、時間を持て余しております。
そんな時に、Amazonプライム会員の僕はよく映画を見ているわけなのですが、今回は不朽の名作と名高い「フォレスト・ガンプ/一期一会」を視聴しました。難病で入院している身としては、この作品に込められたメッセージが強く突き刺さったように思ったので忘れないようにメモがてら感想を記しておこうと思った次第です。
なお、ネタバレが含まれますので楽しみたい方はサラッと読むのがオススメです。
フォレスト・ガンプの超簡単あらすじ
人より知能指数は劣るが、純真な心と周囲の人々の協力を受けて数々の成功を収めていく"うすのろフォレスト"の半生を、アメリカの1950〜80年代の歴史を交えながら描いたヒューマンドラマ
(Wikipediaより引用)
引用で済ませる手抜きっぷりですが、確かにこういうお話だったのでいいですかね。笑
都合のいいようにいいことが起こっていくので人によってはリアリティがないという方もいるかもしれませんが、当時のアメリカの歴史を登場人物の人生に重ね合わせた描写も多くなっているので、個人的には無理やり感があっても作者の思いが乗っているような気がして好きでした。
入院中の自分と重ね合わせたシーン
普通に見てもおそらく色々な感情が生まれたとは思いますが、入院中の自分が特に考えさせられたシーンをいくつか紹介しつつ、考えを書いていきます。
足に器具をつけているフォレストがいじめっ子に追いかけられるシーン
まず冒頭のシーンです。
背骨が曲がっているからという理由で足に矯正具をつけて生活しているフォレストを、いじめっ子たちが石を投げながら追いかけるシーンです。
このシーンを見て、生まれながらに変えられないことを嘲ることの愚かさや虚しさを感じました。それはフォレストがかわいそう、という話ではなくて、いじめっ子に対しての憐憫の情です。
難病で入院してみて、僕自身も家族や職場の人との感じ方の差があることに気づきました。僕が発症したTTPという病気は発症原因が不明で、正直言ってどんな生活をしていても発症のタイミングはわかりません。お酒を飲みすぎたとか、疲れが溜まっていたとか、そんなのが原因ではなく、唐突に訪れる病です。僕自身はそのことを痛感しているため、周囲の人に生活習慣や食生活を注意されても違和感しかないです。
自分では変えられないもの、努力でどうにかできるものではないことに理屈をつけて納得するという行為の無意味さをこのシーンで感じました。走れない奴がいるから追いかけていじめてやろうという子供じみた短絡的な考え方って、実は僕の周りの大人も持ち合わせていて、知らない間に人を傷つけているんだなと。
今の僕にとって、「体に気をつけて生活しないとね〜」という言葉は無意味です。気をつけていても発症すれば3日くらいで瀕死になるのですから。だったらむしろ、毎日を後悔せずに生きる方へ舵を切るべきだと思っているくらいです。貯金とかもあまり考えたくない。いつまで生きられるか分からないのだから。
これが生活習慣病なら話は別なのかもしれませんけどね。
フォレストが軍隊に適応し、士官から褒められるシーン
知能指数が低いフォレストですが、素直で従順な性格は軍隊と非常にマッチします。そのおかげで指導官に将来を期待されるシーンがあります。
人の生き方は千差万別ですが、言われたことを素直にやること、力に逆らわずに生きることで成功するというコンサバ的な考え方がこのシーンで表現されている気がしました。
入院中の僕が思ったのは、このフォレストの生き方、軍隊での成功の仕方は今の僕が選ぶべき生き方ではないということです。
人の言うことを聞いていれば成功する、というのはあながち間違いではないと思います。が、それは人生が計画的に進められる環境がある人に限ります。僕の場合はいつ病気が再発して計画が崩れてもおかしくない人生を歩んでいるので、なんだか道半ばで死にそうな気がしています。笑
生きたいように生きること、10年先を予想するより明日を楽しむためにどう生きるかを僕は考えていきたいなと思いました。
ジェニーが落ちぶれてストリップ劇場で歌うシーン
歌手になる夢を追っていたジェニーですが、紆余曲折あってストリップ劇場で働いていました。客のセクハラに耐えつつ働くジェニーの姿をみたフォレストはジェニーを外に連れ出してしまうというシーンです。
このシーンはアメリカらしさを表しているなというのが率直な感想です。私たちが目にするのは、アメリカンドリームを追いかけて無事に夢を叶えた人についてですが、大半の人はジェニーのように辛酸を舐めて苦しみ、挫折して故郷に帰ったりしているわけです。
このシーンでは病気を再発した時の僕の心境とジェシーの姿が重なってしまう部分が多く、複雑な気持ちになりました。夢に向かってゴリゴリ頑張っていたのに、理由も分からない病気で強制的にストップをかけられてしまった絶望感。仕事を休まなくてはいけない不安感。社会から置いていかれる焦燥感。色々な感情がこのシーンで湧いてきてしまい、見ているのがちょっと辛かったです。
最終的にはハッピーエンド寄りで終わるのでまだ救いがありましたが、果たして僕の人生はどうなるのかな、という不安を強く感じました。
この辺は退院してから気持ちが変わるのかなーとも思います。
ダンが両足を失い、名誉の死を遂げることができず絶望するシーン
フォレストが真っ直ぐな思いで助けただけですが、両足を失った状態で生き残るよりは戦場で華々しく散った方が名誉ある死だったのに、、というダンの絶望が描かれたシーンです。
退役軍人の生活は今も昔もあまりいいものとは言えず、作品中のダンのようにほぼホームレスのような生活をしている人もいます。その生き方を選ばざるを得なくなるのなら、いっそ戦場で死んでしまった方がよいと思う軍人がいることも確かです。
このシーンで僕は、人の死のタイミングに干渉することの難しさを感じました。自分が死の瀬戸際にいたこともあって思ったのですが、善意で助けた後のその人の生活に責任を持つことができるのか、というのは永遠のテーマでもあります。
生きていればいいことがある、と言うのは嘘ではないかもしれませんが、いいことが起きるまでに辛いことが100起こる可能性もあります。作品中のダンはまさにそれで、苦しい生活を何年も続けてようやく成功にたどり着きました。この苦しい生活の期間、苦しむのは本人だけです。助けた側は干渉しないことがほとんどです。
僕だって少なからず病気によって人生の計画を変更しなくてはいけなくなってしまっているわけで、もしかしたら治療をせずに死んでしまったケースの方が苦しまなかったかもしれません。今後僕に起こる苦難は僕にしか降りかかることはなく、僕だけが背負って生きていくものです。そう考えると、人に生きることを強制するのは難しいなと思いました。
入院中は名作映画を観て過ごすのが良い
まとめっぽくなりますが、せっかく入院していて時間があるのなら、世間で名作と言われている映画をたくさん観て過ごすのがいいかなと個人的には思いました。教養にもなりますし、入院中という特殊な状況で観た映画は考えることもたくさんあって、普段より実りある時間を過ごせます。
今はDVDを借りずともサブスクで観られる時代なので、その準備をしておくのがいいのかもしれません。
僕の場合は後述するような環境が整っているため、非常に快適に映画鑑賞ができています。特に一人暮らしの方は真似しやすいですし、入院中に限らずかなり生活が便利になるのでぜひ検討してみてください。
病院で映画を観るために準備したほうがいいもの
病院で快適に映画を観るために必要なのは、サブスクとモバイルルーターです。
名作映画が見れるオススメのサブスク
Amazonプライムビデオ
フォレスト・ガンプはプライムビデオで視聴することができます。(2019年11月14日現在)
ターミネーターなど人気作品もたくさん揃っているので、トライアルでまずは見てみるのがいいのではないでしょうか?
Hulu
サブスク動画配信系のサービスでは非常に有名なサービスなので聞いたことがある方も多いと思います。むしろすでに登録しているよ、という人の方が多いかもしれません。
Huluでは国内外問わず幅広いジャンルの映画、アニメ、ドラマなどを視聴することができます。また、最新作が公開される映画があるとその前作や周辺作品の特集を組んでくれているので、最新映画を観るための予習にも使うことができます。
また、不朽の名作と呼ばれる映画もたくさん配信されているので、タイトルを聞いたことがある映画をゆっくりと視聴していくのもオススメですね。
U-NEXT
U-NEXTもたくさんの映画を配信していてオススメです。結構コアな映画もあって、発見が多いなと思いました。また、戦争を描いた作品等も多く、歴史好きの人はまず無料トライアルで内容を確認してみるのもいいかもしれません。作品によって同じ戦争でも切り取る角度やイデオロギーが異なり、誰がどういう思いで作った映画なのか考えながら見るのも楽しいですね。
モバイルルーター
Smafi WiMAX
モバイルルーターについてですが、そもそも一人暮らしの場合、家にネット回線を引くよりも自分で持ち運べるモバイルルーターを契約した方がぶっちぎりで便利です。
最近はカフェなどでは無料でWi-Fiが利用できる店舗も多いですが、フリーWi-Fiは安全面の危険もありますし、なにより繋がりにくいことが多いです。その点モバイルで持っておけば比較的安定して接続できますし、場所を選ばずに動画を視聴したり仕事ができます。
「家で安定してネットが使えればそれでいいんだけど」と思っている方もいるかと思いますが、据え置き型とモバイルの両方を使用したことがある率直な感想としては、両者に通信速度の体感的な違いは全くないです。それなら、スマホの通信料を気にせずに楽しめるようにモバイルルーターを持ち歩いた方が断然効率的ですし、快適です。外で使わないなら家で充電しながらモバイルルーターを使ってれば大丈夫。僕も2年くらいそうやって使っていましたが、特に壊れたりすることもありませんでした。
また、通信料の契約についてですが、普段あまり動画などを見ずにデスク作業をするくらいの利用頻度なら7GBのパッケージでも十分だと思います。しかし、YouTube等をよく視聴する人であればギガ放題プランがいいと思います。価格をとるか楽しさをとるかの問題なのでその辺は個人で考えていただければと思います。ただ、入院中に映画を観るならギガ放題がいいと思います。
ギガ放題プランでも、3日間の合計で10GBを超えると速度制限がかかりますが、体感ではそこまで遅くなる感じはしません。僕の場合は普通に動画も視聴できたので、そこまで強い制限がかかるわけではなさそうです。
僕はギガ放題で契約しているので、入院中もYouTubeを見ながらご飯を食べたり映画をみたり、こうしてブログを書いたりしています。
月々4000円程度でどこでもWi-Fiが使えるのは本当に便利です。僕は入院してない時はガストに充電器ごと持ち込んで、ドリンクバーを飲みながら映画を見たりしています。コスパ最強の趣味ですね。笑
自宅でゲーミングPCを使ってオンライン対戦やりまくりたいんじゃ!みたいな人以外は、WiMAXでモバイルルーターを契約した方が絶対にいいと思いますよ。この機会にぜひ。
ほら、入院しても暇しないので。笑
まとめ
フォレスト・ガンプを視聴しての感想といいつつ、最終的に一人暮らしの人に向けてモバイルルーターを強くオススメする内容になってしまいました。笑
フォレスト・ガンプは人によって感じ方や捉え方が様々な映画かと思います。出来過ぎてる感じに嫌気がさす人もいるかもしれません。が、作品中に込められたメッセージを感じ取りつつ、自分の生活に投影してみると色々な発見があると思います。まだ見たことのない人はぜひこの機会に見てみてくださいね。