TTP治療におけるカテーテルの位置とアレルギーについて

血栓性血小板減少性紫斑病の治療を続けて約1週間が経ちました。

治療自体はいい感じに進んでいますが、すこし血小板の増加が遅く、日によっては減少していることもあります。急がず、じっくり、というところですね。

さて、今回はカテーテルの位置やアレルギーの原因について主治医の先生にお聞きしたので、短いですがまとめていきたいと思います。

カテーテルの挿入位置について

今回先生にお聞きしたのは、カテーテルの挿入位置についてです。現在、僕の体では股関節にカテーテルが挿入されています。しかし、先生によるとこの位置はあくまで仮の位置とのことでした。その理由はこれから書いていこうと思います。

容態、年齢等によって異なる(らしい)

まず、カテーテルを挿入する理由についてですが、TTPの場合は血液中の血漿成分を取り換えるためにカテーテルを挿入し、新鮮凍結血漿FFP)を投入します。スムーズな交換をするためにも、なるべく太い静脈が使用されるようです。挿入位置は年齢や容態などを考慮して決められるそうです。

以下、代表的な部位(僕が経験した部位)を挙げます。

股関節

まずは股関節です。鼠蹊部とも言いますね。

この位置にカテーテルを挿入することで、血漿交換治療が可能になります。

ただし、基本的にこの位置に挿れるのは寝たきりの患者さんがほとんどのようです。理由は、僕のように普通に立ち上がって生活するような人ではどうしても股関節を動かす機会が多く、カテーテルがずれたりしてうまく血漿交換ができなくなってしまうからです。実際、僕も治療3回目で不具合が起きてしまい、治療が中断して長引いてしまったことがありました。

首(頸部)

そのほか、首の静脈にもカテーテルを挿入することがあります。

首から管が出ている状態で生活するので見た目がちょっとグロいですが、仕方ありませんね。笑

5年前の僕は、最初はカテーテルを股関節に挿れていましたが、後に首に付け替えています。

この理由について説明していきます。

股関節→首にカテーテルを付け替える理由

5年前の治療時には、入院して1時間後には股関節にカテーテルを挿入して治療を開始しました。その後、4回ほど治療を進めたところで、首にカテーテルを付け替えました。

一見すると二度手間のように思えますが、なぜ僕は最初に股関節にカテーテルを挿入することになったのかというと、それは僕の血小板の数が圧倒的に足りなかったからです。

血小板は血を止める働きをするため、血小板が少ない状態でカテーテルの挿入手術をするのは一定のリスクがあります。血が止まらなくなってしまうかもしれないということです。

首には頸動脈という非常に重要な血管が通っていますが、カテーテルの挿入手術の際に誤って頸動脈を傷づけてしまった場合、出血が止まらずに死に至る危険性があるわけです。そのため、血小板の数が圧倒的に少ない状態では首よりも股関節への挿入が選択されるとのことでした。

治療を進めていくにあたって血小板の数が回復し、単位当たり8万程度まで回復すると首に付け替える際のリスクも少なく済むため、このようなステップを踏んで治療が進められるようです。

ということで、今回の治療でも同様に首にカテーテルを付け替える手術が待っております。正直どこについていても同じかなという感じもしますが、臨床技師の方が女性だとさすがに恥ずかしいので、首の方がいいかなという気持ちです。笑

血漿交換中のアレルギー反応について

先日の記事でも書きましたが、僕は血漿交換治療を受ける患者の中でもアレルギー反応が出やすい体質で、治療が中断したりすることが多くて困っています。

これに関してはもはや仕方ないことなので諦めてはいますが、一応の理由を先生からお聞きしたのでまとめておこうと思います。

血漿は皆さんの献血から生成されている

まず、僕が普段治療に使用させていただいている新鮮凍結血漿FFP)ですが、これは街中で献血をしてくださった皆さんからの血液から生成されています。僕一人の血液を正常に戻すために何十人、何百人の血液が使用されているということで、感謝してもしきれません。ありがとうございます。

こうして多くの方の血液からできた成分なので、当然様々な血液のパターンが混在しているということになります。そこで、血漿成分を作る際には最低限合わせる部分と無視する部分があります。以下、説明します。

赤血球の型は合わせている

血漿成分では、ABO血液型やRh抗原についてはしっかり合わせています。この部分がずれてしまうと、赤血球が破壊されてしまいます。発熱等の軽度な症状から急性腎不全で死に至るまで症状は様々ですが、とにかく危険な状態になってしまいます。この部分はパターンも限定的であるため、血漿を作る際にしっかりと合わせて作成されます。

白血球の型はパターンが多すぎて合わせられない

これに対して白血球は、型が非常に多くあります。数万通りはあるので、さすがにそこまで合わせていては血漿成分を作ることができません。そのため、基本的には白血球のパターンは無視されています。

こうして生成された血漿成分を血液中に取り込んだ時、拒絶反応の強いものがあるとアレルギー反応が出てしまう、ということになります。僕の場合は拒絶する種類が多い、わがままな体質のようです。

アレルギーが出た場合の対処

血漿成分について説明してきましたが、実際にアレルギーが出た場合の対処について、僕が普段受けている対処をメモしておきます。

抗アレルギー薬の投入

湿疹等がでて痒みが出てきた場合は、抗アレルギー薬を投入して経過を見ます。この場合、程度によっては30分くらいで痒みが引いていくことが多いですが、ひどい時は全く効かずに全身の痒みで死にたくなります。笑

当該新鮮凍結血漿FFP)の投入中断

僕の場合、毎回の治療で24単位(6パック)を交換しているのですが、もしアレルギー反応が出るパックがあった場合はそのパックを中断し、新しいパックに付け替えて治療を再開することが多いです。

反応が出てしまった分は廃棄になってしまうので申し訳ないですが、助かるためにやっているので仕方ないことでもあります。FFPって結構高いんですよね。なおさら申し訳ないです。

まとめ

今回はカテーテルの挿入位置とアレルギーの原因についてメモしました。

TTPは難病ということもあって治療に際して不安がつきものですが、この記事を読んでこれから何が起こるのかを知っておくだけでも少しは落ち着いて治療に臨めると思います。あまり気負わず、ゆっくりじっくり治療していきましょう。