ラジオのスペシャルウィークって何?

ラジオリスナーにとっては2ヶ月に1回開催される楽しい1週間ですが、普段あまりラジオを聴かない人にとっては一体何がスペシャルなのか、そしてなぜスペシャルなのかが分からないと思います。そこで今回はスペシャルウィークに関して説明したいと思います。

スペシャルウィークとは

聴取率の調査期間のこと

まず、スペシャルウィークと呼ばれている1週間ですが、これはラジオの聴取率を測る1週間のことです。聴取率はテレビでいうところの視聴率のようなものですが、測定方法が違います。

測定方法に関しては以下の記事で触れているので、こちらの記事を参考にしてください。

簡単にいうと、聴取率を上げるためにゲストを呼んだりイベントを企画して番組を盛り上げる1週間です。「聴取率がいい=多くの人が聴いている=広告単価アップ」ということで、ラジオ局にとっては死活問題なんですね。

偶数月に実施される

スペシャルウィークは偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に実施されます。結構多いなあと思うかもしれませんが、基本的にほとんどの番組は毎週放送しているので、8回に1回スペシャルウィークでゲストを呼んだり面白い企画をする、ということになります。ヘビーリスナー的にはそんなに多いなとは思いません。もうスペシャルウィークか!と月日の流れを実感することは多いですが。笑

他の呼び方もある

スペシャルウィークという呼び方が一般的ですが、ラジオ局によっては異なる呼び方をしています。この記事で紹介する以外にも色々あると思いますが、ひとまず3つほどご紹介します。

パワーウィーク

おもにbayFMではパワーウィークと呼んでいます。基本的な内容は他のラジオ局と変わらず、ゲストを呼んだりプレゼント企画をして盛り上げています。

個人的にはこの名称は好きです。英語っぽい発音にするとめっちゃカッコいいんですよね。笑

リスナーズウィーク

これはおもにhfm(広島FM)で使用されている名称です。リスナーが主役になる1週間だよという感じがしていいですね。地方局でも面白い番組は多いですし、地域密着で聴取率を取るための戦略は気になりますね。

ハッピーウィー

おもにOBCラジオ大阪)やHBC北海道放送)で使用される名称です。聴く方も届ける方もハッピーになる1週間という意味でしょうか?

確かに聴取率調査週間はリスナーにとって非常に楽しみな1週間なので、ハッピーであることは間違いではありませんね。

TBSラジオスペシャルウィークを廃止!?

ラジオ業界は現在大きな変革期に入っていると言われています。局の垣根を超えたイベントの開催はもちろん、大手ラジオ局のTBSラジオが攻めているんです。

TBSラジオ聴取率トップの放送局

TBSラジオといえば、ラジオ界最強の放送局です。100期連続で聴取率No.1になるなど、他を寄せ付けない圧倒的な人気を誇る放送局です。僕も非常によく聴いていて、ラジオを好きになるきっかけとなったバナナムーンGOLDTBSラジオです。

なぜTBSラジオスペシャルウィークをやめるのか?

そんなTBSラジオがなぜスペシャルウィークを廃止するのか、様々なサイトで説明されていました。

聴取率トップでも収入が上がらない

まず、根本的な事情としてあるのは、聴取率を取るために費用をかけても放送収入が上がらないという問題があるようです。聴取率を獲得することで広告単価をあげ、収益増につなげるのが本来の目的だったはずですが、おそらく新規のリスナーが増えていないことや、それに伴うターゲット層の縮小などが重なり、各社ともyoutubeなどの別媒体での広告に費用をかける傾向にあるのではないでしょうか。

慣習に従うことの無意味さを痛感している

こういった事情もあり、いくら聴取率で毎回トップをとってもなんの意味もないことを痛感したということでしょう。王者だからこそ分かる痛みという感じがしてカッコいいなと思いますし、こういった大きな慣習すら破壊していく覚悟のある放送局が出てきたことは、まさにラジオ業界が変わろうとしている証左だと思います。

独自路線で収益増を目指す

では、TBSラジオはこれからスペシャルウィーク的なことをやらないのか?といいますと、そういうことではないみたいです。わざわざ時期を統一して各局と同じタイミングで聴取率を争うよりも、各セグメントに応じてお金をかけるタイミングを最適化しようとしています。例えば学生向けの番組であれば、4月からの新生活が始まるタイミングで聞き始める人が多いですから、ここでお金を使って取り込んでいく、といった施策を柔軟に展開していくことができるわけです。

ノンリスナーをリスナーにする

上記の話にもつながりますが、TBSラジオがやろうとしているのはヘビーリスナーを楽しませる企画だけでなく、現在ラジオを聴いていない人に対してラジオの魅力を伝え、ノンリスナーをリスナーに転化することです。

個人的には、これは自社だけの利益ではなく、ラジオ業界を引っ張っていく強い意志の現れだと思っています。まだスペシャルウィーク廃止の結果が吉か凶かはわかりませんが、おそらくいい方向に向かっていると思います。ヘビーリスナーとしても応援したいなと思っています。

まとめ

今回はスペシャルウィークについて書きました。

ラジオは、昔のようにコソコソ楽しむ娯楽から、SNSを通じて他のリスナーとコミュニケーションを取りつつ楽しめるコンテンツになりました。ゲームの実況とも似た面白さがあります。

ぜひ、一度聴いてみてください。

ラジオについてもっと知りたい!という方は以下の記事もぜひ読んでみてくださいね。